2010年03月18日

10年02月の月間チラシ(注目の量販)

 2月の月間チラシのトータル件数は5241件で、前月より624件のマイナスとなった。1月は土・日曜日が5週あったが、2月は4週しかなかったことを考えると、1週あたりの平均チラシ出現数は1月を上回っておりチラシの発行状況は良かったといえそうだ。ちなみに、09年1〜3月期は戦後最悪のGDPマイナス成長だったと内閣府から発表があったが、その真っ直中だった前年2月のチラシの総件数3915件しかなかった。今年は前年対比133.8%で推移しており、だいぶ復調したといえよう。

 もっとも、2月にチラシ件数が伸びたのは、景気の回復傾向などよりもヤマダ電機が仕掛けた「決算セール」の方が影響が大きかったかもしれない。ヤマダ電機は2月4週間のチラシすべてを「本決算」の文字で飾った。他社に先駆けてセールを仕掛けた格好だが、ヤマダのこのチラシの仕掛けに、多少なりとも対抗できていたのは上新電機ぐらいだったように思える。2月発行のチラシがお客に与えたインパクトの大きさではヤマダ電機の圧勝だったといえそうだ。

【ヤマダ電機 2月1週(1/31〜2/6)のチラシ】
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【上新電機 2月2週(2/7〜2/13)のチラシ】
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 ヤマダ電機のチラシ上の見逃せない動きとして、ポイント戦略の見直しがある。昨年秋商戦あたりまでは、「トリプルでお得」とエコポイント・現金値引き・高率ポイントの3つを強調していたが、昨年末商戦あたりより「10%以上現金値引き」とチラシ紙面を一新している。また年末からチラシにおけるポイント付与商品の減少が確認できるのだ。下写真の昨年12月1週の薄型テレビ掲載部と今年2月4週の薄型テレビ掲載部を見比べてみると、明らかにポイント付与商品が減っている事がわかる。これまでヤマダ電機ではAV家電、特に薄型テレビに高率なポイント還元することで他社との価格競争を優位に進めてきた経緯があったが、チラシで見る限りでは、ここにきて大きな方向転換をした事になる。ちなみに3月2週のチラシにおいては、薄型テレビのポイント付与商品の掲載はとうとうゼロとなっている。

【ヤマダ電機 09年12月1週 ヤマダ電機の薄型テレビ】
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【ヤマダ電機 10年2月4週 ヤマダ電機の薄型テレビ】
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 ヤマダのポイント戦略の見直しを考える上でもう一つの動きとして、一般ポイントカードの来店ポイント廃止という動きも見逃せない。「ケータイdeポイント乗り換えキャンペーン」という形で1月後半からポイントカードから携帯電話へのポイント管理の切り替えを促している。いままで一人で複数のポイントカードを所有し、新規開店時にスロットマシンを占拠するといった事例や通称「ポイント乞食」などと呼ばれる事例があり、いろいろと現行のポイントカードには予想外の問題も発生していたが、この乗り換えキャンペーンでお客のポイント管理を携帯電話に一元化する事で上記のような事態の収拾を図ったと考えることもできよう。しかし大々的な告知がないまま行われた変更のため、多くのお客にとっては寝耳に水の出来事であり、売り場等の現場ではだいぶ混乱した模様だ。この来店ポイント終了時期が、当初3月31日にとあったが、現在は4月30日までに延長されたのも周知が徹底していないとの判断によるものだろう。このような急な制度変更は、顧客のポイント制度への信頼を、店への信頼を損なう事態を招きかねない。そこまでして、急にポイント制度を改める必要性はどこにあったのだろうか?

 ヤマダの現金値引きへと転換した動きについて、3月15日付けの日経新聞のインタビューで、山田昇会長は長引く不況で、後々使える高額ポイントを付与した商品よりも、目先の現金値引きを望む消費者の声が高く、それに対応した動きである旨のコメントをしている。ポイント制度を有効に活用する事で業界を勝ち抜いてきた企業のヤマダでさえ、長引く不況の中にあって、戦略の見直しをせまられたという事だろうか?ナンバーワン企業として業界に与える影響が大きいだけに、今後の動向にも注目する必要があるだろう。

 【チラシ価格 10年 2月期(1/31〜2/27)チラシ出現数 ベスト3】

テレビ

チラシ価格

出現数平均値最安値前月
1位40A800031101,18486,4006位
2位LC-37SE502790,15880,7364位
3位TH-P42G224207,496176,8007位

BD/DVDレコーダー

チラシ価格

出現数平均値最安値前月
1位BDZ-RX502993,63276,3306位
2位BD-HDW452797,08479.8402位
3位DVR-BZ1302470,54458.3207位
3位RD-E305K2448,00943,8009位

デジタルカメラ

チラシ価格

出現数平均値最安値前月
1位D3000 LK2349,03342,1204位
2位D5000 WZ2083,65567,8403位
2位EOS KISS X3 W2089,57676,3302位
3位OPTIO E80167,8516,6139位

ビデオカメラ

チラシ価格

出現数平均値最安値前月
1位HDR-CX1701861,26055,0808位
2位HDR-CX370V17101,43489,250-
3位HDR-CX550V13122,213108,800-
3位iVIS HF M311387,11673,636-

冷蔵庫

チラシ価格

出現数平均値最安値前月
1位NR-C378M2486,93779,8001位
2位GR-C42N19151,720126,20015位
2位MR-E45R19191,413161,8209位
3位MR-F40R18114,513103,8004位

洗濯機

チラシ価格

出現数平均値最安値前月
1位AW-42SG2418,85217,8008位
2位AWD-AQ400016142,855130,50010位
3位NA-VR360015224,733198.0007位

レンジ

チラシ価格

出現数平均値最安値前月
1位MRO-FS71329,61728,6201位
2位MRO-FS81239,06738,8006位
2位MRO-FF61223,04619,8002位
3位NE-A302858,85254,800-
3位NE-EH212810,8679,98010位
3位NE-M262827,76525,8007位

エアコン

チラシ価格

出現数平均値最安値前月
1位AS-J22V1244,36739,8001位
2位RAS-221PD1150,04040,5983
3位AS-J28V1060,71156,8002位
※平均値・最安値ともポイント/工事費分などを値引いた調整後の値

 今月の要注目カテゴリーはなんといってもビデオカメラだろう。ランクインした4機種はいずれも発売から2カ月もたっていない新モデルであり、チラシでは新モデルを全面に押し出した紙面構成をしているところが多かった。卒園・卒業・入園・入学シーズンを控えたこの時期は、運動会シーズンとならんで店舗の売り場が活気づき、メーカーも販促に力が入る時期でもある。どのメーカーがチラシでは人気があるのか調べてみた。

【ビデオカメラ 10年2月 チラシ内シェア】
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【ビデオカメラ 10年2月 メーカー別価格帯チラシ出現数】
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 ランキングの1〜3位を独占した結果となったソニーがやはり強い。ソニーはもともとビデオカメラのトップシェアメーカーだが、9万円以上の高級機、5〜6万円台の普及機、3万円未満の入門機とまんべんなくチラシの出現数が高い。もっともチラシ出現数が高かったのは5〜6万円台クラス。普及機クラスの主戦場でありパナソニックやキヤノンのチラシ出現数も高いが、ソニーの「HDR-CX170」には、チラシでの人気で一歩およばないようだ。このCX170は、昨年までは高級機にのみ掲載されていた、暗い所での撮影に強い「裏面照射技術」が採用されており、競合他社との大きな差別化要因となっている。この春モデルより同技術を採用したビクターのモデルは、現状9〜10万円台のチラシ価格帯で推移しているのを考えると、プライス力でも他社を圧倒した形だ。また細かな変更ながら、SDカードに対応した影響もありそうだ。ユーザーがすでに持っているSDカード関連の周辺機器との連係など利便性が向上したことなどもあり、ソニーの「HDR-CXシリーズ」は一部の店舗では、品切れが起きるほどの人気シリーズとなっている。

posted by skudoh at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | チラシ価格
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